1. 精神的な充足は大きいけれど、お金の不安は別物
調査によると、定年後にパートナーと同居しているシニアカップルの58.7%が「一緒になってよかった」と感じているそうです。特に、「経済的な負担はあるが、それ以上に精神的な支えや安心感が大きく良かった」と答えた方が最も多く、経済的なメリット以上に、孤独感の解消や精神的な安定が幸福に大きく寄与していることが分かります。

これは本当に素敵なことですよね。お互いを支え合えるパートナーがいることは、人生においてかけがえのない喜びだと思います。しかし、この精神的な充足感と、現実的な「お金の問題」は、どうやら別の話のようです。
2. 信頼関係があっても「資産の全貌」は明かさない“大人の距離感”
シニアカップルの生活に精神的な充足が多い一方で、金銭面については少し異なる傾向が見られます。パートナーに貯蓄額や年金受給額を「正確な金額をすべて明かしている」人は、なんと3割にも満たない29.1%でした。

残りの約7割は「だいたいの金額」や「あいまいに伝えている」と回答しています。中には「実際の額より少なく(または多く)伝えている」という方もいるようで、信頼関係はあっても、資産の全貌までは共有しない「大人の距離感」がうかがえます。私も「へぇ、そうなんだ」と、ちょっと複雑な気持ちになりました。
もちろん、全てをオープンにする必要はない、という考え方もあるでしょう。しかし、将来を見据えた時に、この「大人の距離感」が、思わぬ問題に発展する可能性も秘めているのかもしれませんね。
3. 介護・相続の具体策、9割以上が「先送り」の現実
そして、この「大人の距離感」が最も顕著に表れているのが、将来の「介護費用」や「遺産」に関する話し合いです。調査では、「具体的に決めている」カップルはわずか8.5%にとどまり、実に9割以上のシニアカップルが、これらの具体的な取り決めを完了できていない現状が明らかになりました。

「話し合ってはいるが詳細は未定」や「なんとなく話題に出るが合意なし」という方が多いようです。「まだ先のことだから」と先送りにしてしまう気持ち、とてもよく分かります。私もついつい、面倒なことは後回しにしがちですから。でも、介護や相続は、いつか必ずやってくる現実です。具体的な話し合いを避けていると、いざという時に、パートナーや家族間で混乱やトラブルが生じてしまうかもしれません。これは、お互いにとって、とても悲しいことですよね。
4. 経験者が語る「同居前にお金の話をすべきだった」という切実な助言
では、これからパートナーを探し、共に暮らすことを考えている私たちが、この調査結果から何を学ぶべきでしょうか。
「同居前に話し合っておくべきこと」を尋ねたところ、約半数の48.4%の人が「同居前にお金の話をしておくべき」と回答しています。

フリーアンサーでは、以下のような具体的なアドバイスが寄せられています。
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将来のことについて:「遺産をどうするのかは決めておくべきと思う」「不動産の名義や、加入保険の受け取り人変更などしっかり手続きをし預金額はお互い確認し合っておいた方が良い」
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日々の生活費・分担について:「光熱費、家賃、食費、その他各費用の分担をきちんと決めておく。それぞれの自由になるお金も決めておく」「入籍しない場合、費用負担を明確にしておくこと。できれば文書に残しておくことが良い」
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価値観・金銭感覚のすり合わせ:「独身生活が長いと金銭感覚が固定化してしまう傾向があるので相手と『感覚』の違いの確認が結構大切と思う」「相手を信用するなら金銭面はオープンにしたほうが後々もめなくて済む。」
これらの助言は、実際に経験された方々の「本音」であり、私たち30代〜40代が将来に向けて心に留めておくべき、とても大切なメッセージだと感じました。特に、独身生活が長くなると、自分なりの金銭感覚が確立されていきますよね。だからこそ、早いうちからパートナーと「お互いの価値観」をすり合わせておくことが、後々のトラブルを防ぐ上で非常に重要になるでしょう。
5. 今からできること:未来の幸福のために「お金の話」を始めてみませんか?
シニアカップルの調査から見えてきたのは、精神的な繋がりが幸福に不可欠であると同時に、現実的なお金の話も避けては通れない、ということです。特に、私たちの世代は、親世代よりもさらに多様なライフスタイルや働き方を選ぶことができる時代です。だからこそ、パートナーとの金銭感覚や将来の計画について、しっかりと話し合う機会を持つことが、より一層大切になってくるのではないでしょうか。
「お金の話なんて、なんだか生々しいな」「まだ早いよ」と思う方もいるかもしれません。でも、これは決して「相手を疑う」話ではありません。むしろ、「お互いを尊重し、末永く幸せな関係を築いていくための大切な準備」だと捉えてみてください。
例えば、こんな風に切り出してみてはいかがでしょうか。
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「将来、どんな暮らしがしたいか、少し話してみない?」
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「お互いの金銭感覚って、どんな感じなんだろうね?」
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「もしもの時、お互いが困らないように、今からできることってあるかな?」
このように、雑誌コラムのような、少し柔らかい言葉で切り出すことで、お互いの価値観を知る良いきっかけになるかもしれません。結婚を考えている方はもちろん、まだそこまで具体的に考えていない方も、パートナーとの関係を深める一歩として、将来のお金について話してみることを提案します。きっと、二人の絆をより強くする、貴重な時間になることでしょう。
それでは、また次回お会いしましょう。賢作でした。


