なぜ『ラブ・ライズ』が、私たち30代・40代の心に響くのか?
『ラブ・ライズ』は、国際ロマンス詐欺を題材に、マッチングアプリで出会った52歳の産婦人科医と26歳の青年が織りなす物語です。一見すると、詐欺という重いテーマに思えるかもしれませんが、実はそこには、現代を生きる私たちが抱える「出会い」や「人間関係」への本質的な問いかけが隠されています。
1. 現代の「出会い」の複雑さと本音
この映画の主人公たちは、マッチングアプリで年齢や職業を偽って関係を築いていきます。これって、私たちも「ちょっと盛り気味にプロフィールを書いちゃったな」とか、「相手の理想に応えようと、本当の自分を隠しちゃうことってあるかも」なんて、共感してしまう部分があるのではないでしょうか。SNSやアプリが普及した現代では、どこまでが真実で、どこからが虚像なのか、見極めるのが本当に難しい時代ですよね。映画は、そんな現代の出会いのリアルな側面を、決して突き放すことなく、優しく描いているように感じます。
2. ロケ地・札幌が持つ「非日常」と「希望」の魅力
本作の重要な舞台の一つが、日本の札幌です。香港映画といえば、雪の札幌というイメージが強いかもしれませんが、ホー・ミウケイ監督は「暖かく、晴れやかな空気感を撮りたかった」と語り、新緑の季節の札幌を選んだそうです。市電を貸し切っての撮影や、国営滝野すずらん丘陵公園での花畑のシーンなど、見慣れた札幌の風景が、映画の中ではまるで別世界のように美しく映し出されています。これは、日常の中に潜む「非日常」や、新しい場所がもたらす「希望」を感じさせてくれる、素敵な演出ではないでしょうか。札幌を訪れたことがある方も、そうでない方も、きっと映画を通して新しい札幌の魅力に気づくはずです。



3. 映画制作の裏側に見る「人の縁」と「協力」の大切さ
この映画の札幌ロケは、札幌フィルムコミッション(札幌FC)の誘致からわずか3ヵ月で実現したそうです。札幌市映像制作補助金の活用や、地元コーディネーターとのマッチング、さらには約50名もの市民エキストラの参加など、多くの人々の協力があってこそ、この作品は生まれたといいます。ホー監督は「札幌で撮影できたのは、神様からのギフトでした」と感謝の言葉を述べていました。映画作りの現場で垣間見える「人の縁」や「協力」の温かさは、私たち自身の人間関係においても、とても大切なことだと改めて教えてくれる気がします。
4. 男性目線で考える「嘘」から始まるロマンスの可能性
男性である私、賢作の視点から考えると、ロマンス詐欺という言葉を聞くと、やはり警戒心が先に立つものです。しかし、この映画が描くのは、単なる詐欺の顛末だけではありません。嘘から始まった関係の中に、少しずつ本物の感情が芽生えていく過程が、とても丁寧に描かれているように感じます。人は誰しも、完璧な自分だけを見せたいと思うもの。でも、そんな「嘘」の皮を一枚剥がした先に、思いがけない真実の感情や、相手の人間らしさを見出すこともあるのかもしれません。もちろん、詐欺は許されることではありませんが、この映画は、表面的な情報だけでなく、もっと深く相手と向き合うことの大切さを、私たちに問いかけているのではないでしょうか。

札幌でのプロモーションも要チェック!
9月4日(金)の全国公開に向けて、札幌では大々的なプロモーションが展開されます。札幌市営地下鉄24駅25ヵ所でのタイアップポスター掲出や、駅前通地下歩行空間広場などの大型サイネージでの予告編放映も予定されているそうです。映画を観る前に、ぜひ札幌の街でその雰囲気を味わってみるのも良いかもしれませんね。


最後に
『ラブ・ライズ』は、現代の複雑な「出会い」の形を映し出しつつも、その中に潜む人間らしい温かさや、新しい関係への希望を感じさせてくれる作品だと思います。30代、40代の私たちだからこそ、この映画から得られる気づきはきっと多いはずです。
映画を観終えた後、もしかしたら皆さんの心の中には、「自分にとって本当に大切な出会いって何だろう?」「もう一度、素直な気持ちで誰かと向き合ってみようかな」といった、前向きな気持ちが芽生えるかもしれません。ぜひ劇場に足を運んで、この物語が皆さんの心にどんなメッセージを届けてくれるのか、確かめてみてはいかがでしょうか。
『ラブ・ライズ』公式サイト
https://www.love-lies-movie.jp/
『ラブ・ライズ』公式X
@loveliesJP
9月4日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開です。
それでは、また次のコラムでお会いしましょう。賢作でした。


