Z世代の位置情報共有、便利さの裏に潜む「監視」の感覚
Z世代向けクリエイティブカンパニーFiom合同会社が運営するZ-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)が全国のZ世代418名に行ったこの調査によると、現在も位置情報共有アプリを利用しているのは48%。そのうち16%が「常時利用」、32%が「特定の相手・外出時のみ利用」と回答しています。しかし、半数以上の52%は「以前は利用していたが、現在はやめた」と答えており、継続利用の難しさがうかがえます。
利用開始の最大の理由は「防犯・安全のため」が37%と最も多く、やはり安心を求めてのことでした。しかし、利用を続ける中で、彼らの心には大きな葛藤が生まれているようです。

調査では、54%が「位置共有で自由が制限される」、同じく54%が「愛情より監視の側面が強い」に共感し、50%が「常に見られる感覚がストレスになる」と回答しています。そして、驚くべきことに57%ものZ世代が、自分の生活を他人から「監視されている」と感じているのです。
僕も若い頃は、親や恋人から「どこにいるの?」と聞かれるのが嫌で、ついごまかしたりした経験があります。でも、今のZ世代はアプリで居場所が常に可視化されるわけですよね。安心のためとはいえ、常に誰かに見られている感覚は、確かに息苦しさを感じるだろうなと共感してしまいます。
「つかなくてもいい嘘」と「デジタルストーキング」の境界線
位置情報共有がもたらす影響は、心理的なものだけではありません。具体的な行動にも表れています。
1. アプリが原因で「つかなくてもいい嘘」をつく

調査では、Z世代の40%が位置情報アプリの存在によって「つかなくてもいい嘘」をついた経験があると回答しています。例えば、「寝たふりをして遊びに行く」といった具体例が挙げられていました。これは、自分の行動を自分で決めたい、という彼らのささやかな抵抗の現れなのかもしれませんね。
僕も若い頃、親に内緒で友達と夜遊びに行った時、嘘をついてしまった経験があります。デジタルで居場所が筒抜けの今、彼らが「自由な行動を隠すための嘘」をついてしまう気持ちは、すごく理解できます。位置情報共有が、かえって関係性の透明性を損なう可能性があるという指摘は、大人世代も心に留めておくべきでしょう。
2. 位置情報アプリが原因で、友人や恋人と喧嘩に

さらに、26%が位置情報アプリが原因で友人や恋人と喧嘩になった経験があると答えています。確認頻度や返信の遅れ、滞在場所への期待の違いが、疑いや不満を生むケースがあるようです。便利なはずのツールが、人間関係に亀裂を入れるきっかけになるなんて、少し悲しい話ですよね。
3. 気になる相手を繰り返し確認する「デジタルストーキング」

そして、気になる人や元恋人などを1日に何度も確認する「デジタルストーキング的行動」を「毎日何度もチェック」する人が13%、「たまにチェック」する人が18%と、合計31%が現在も行っているという結果も出ています。確認できる環境が、相手の行動を追い続ける習慣につながる可能性も示唆されています。
これは、僕ら大人世代にも心当たりがあるかもしれません。SNSで元恋人の投稿を無意識にチェックしてしまったり、子どもの行動を必要以上に知りたがってしまったり……。便利な機能と過度な監視の境界線を、改めて考えるきっかけになりますね。
位置情報は「個人のプライバシー」であるという強い意識

Z世代は、自分の位置情報について非常に強いプライバシー意識を持っています。81%が「やや個人のプライバシー」または「守るべき個人のプライバシー」と捉えており、「共有財産」と考えているのはわずか19%に留まりました。これは、位置情報を共有していても、自由に閲覧されてよい情報とは考えていない、という彼らの本音を表していると言えるでしょう。
Z-SOZOKEN所長の竹下洋平さんは、「位置情報共有は愛情の証明という空気をつくらないことも必要です。共有する自由と共有しない自由の両方が尊重されることが、安心できる関係につながると考えています」とコメントしています。まさにその通りだと僕も思います。共有することが「愛情の証」だと一方的に押し付けるのは、相手にとって大きな負担になりかねません。
私たち大人世代がZ世代から学べること
今回の調査結果は、Z世代だけの問題ではなく、デジタル化が進む現代社会における人間関係のあり方、そしてプライバシーの考え方について、私たち大人世代も深く考えるべきテーマを投げかけてくれています。
Z世代が感じている「監視されている」という感覚や、「つかなくてもいい嘘」をついてしまう状況は、もしかしたら私たちの子どもたちが今抱えている悩みかもしれません。あるいは、パートナーとの関係性においても、デジタルコミュニケーションの取り方を見直すきっかけになるのではないでしょうか。
Z世代の彼らが求めているのは、安心や便利さだけではなく、「共有する自由と共有しない自由」が尊重される関係性です。これは、すべての世代にとって大切なことだと僕は感じます。日々のコミュニケーションの中で、相手の気持ちに寄り添い、デジタルツールとの健全な付き合い方を一緒に考えていくこと。それが、より良い人間関係を築く第一歩になるはずです。ぜひ、この機会に皆さんの周りの大切な人とのデジタルコミュニケーションについて、話し合ってみてはいかがでしょうか。
この調査レポートの完全版は、以下のリンクから無料でダウンロードできますので、さらに詳しく知りたい方はぜひ活用してみてください。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。賢作でした。



