AI検索の普及がマッチングアプリ選びに与える影響
LLMOコンサルティングを提供するシュワット株式会社が実施した大規模クロス分析調査によると、Google AI Overviewsを対象に、日本の主要マッチングアプリ12ブランドのAI言及量を測定しました。
この調査の背景には、2024年以降の検索体験の変化があります。Google AI OverviewsやChatGPTといった生成AI検索の普及により、「AIが何を推奨するか」が消費者の意思決定に直接影響するようになったのです。サイバーエージェントGEOラボの調査(2025年10月、全国9,278名対象)によると、検索手段として生成AIを利用するユーザーは全世代で31.1%に達し、半年で約1.5倍に急増しています。
特に、マッチングアプリ業界では、比較サイトやYouTube、友人からの口コミに加え、生成AIへの問い合わせが急増しています。AIに推奨されないブランドは、「選択肢の土俵にすら上がらない」という状況が現実になりつつあるのは、驚きですよね。
総合ランキングはPairsが圧倒的1位、しかし…
調査結果の総合ランキングでは、Pairsが3,502回のAI言及数でダントツの1位に輝きました。2位のwith(2,511回)、3位のタップル(2,175回)に大きく差をつけており、AI界隈ではPairsがマッチングアプリの「代名詞」的なポジションを確立していることが伺えます。

一方で、海外ブランドのBumbleは172回と限定的で、Tinderの1,549回とは対照的な結果となりました。賢作の個人的な見解としては、Bumbleの「女性から先にメッセージを送る」という特徴や、英語UI中心の構造が、日本市場のAI言及数に影響しているのかもしれませんね。日本市場では、やはりローカライズされたサービスが強い、ということでしょうか。
用途別で激変する勢力図!30代向けではOmiaiが逆転1位
今回の調査の面白い点は、5つのサブカテゴリ(総合 / 婚活アプリ / 恋活アプリ / 20代向け / 30代向け)で言及数を比較したところ、カテゴリーによって順位が大きく入れ替わったことです。

Pairsは総合・婚活・恋活・20代の4カテゴリで1位を維持したものの、30代向けではOmiaiが18回でPairsの15回を上回り、逆転1位となりました。Omiaiの「真剣交際」というブランドイメージが、30代の「落ち着いた出会い」を求める層のクエリに強く響いていることが考えられます。これは、私たち30代・40代がマッチングアプリを選ぶ上で、非常に重要なヒントになるのではないでしょうか。
婚活アプリのダークホース、ブライダルネットの強さ
婚活アプリ市場で特に注目すべきは、ブライダルネットの存在感です。総メンション数280回でPairs(290回)に肉薄する2位を獲得し、特に「単独言及」(他社と比較せずブライダルネット単独で語られた回数)はPairsの28回に対して179回と、なんと6.4倍にも上りました。

これは、AIにとってブライダルネットが「婚活専業といえばブライダルネット」というニッチな分野での第一人者ポジションを確立していることを示しています。総合ランキングでは9位ですが、サブカテゴリでは全く異なる強さを発揮する典型的な事例と言えるでしょう。
シュワット株式会社は「単独言及率」を「AIにそのカテゴリの代名詞として認識されているか」を測る独自指標として提示しています。

このデータを見ると、ブライダルネットの単独言及率は64.0%で圧倒的1位。Pairsは9.7%で4位という結果です。Pairsは「他社との比較対象」として参照されることが多く、ブランド単独で語られる確率は意外に低いことが分かります。なるほど、これは面白いですよね。
AIに選ばれるブランドになるための3つの要因(私たちユーザーへのヒントにも)
今回の調査結果から、AIに「言及されるブランド」と「言及されないブランド」の差を生む3つの要因が見えてきました。これは、アプリ運営者側だけでなく、私たちユーザーが「どの情報を信じるか」という点でもヒントになるかもしれません。
要因1: 第三者メディア・コミュニティからのサイテーション量
AIが回答を生成する際の引用元は、自社オウンドメディアだけではありません。今回の調査では、マッチングアプリのGoogle AI Overviewsで実際に引用されているドメインTOP15を直接取得したところ、引用元のうちマッチングアプリブランドの自社オウンドはタップルの1ドメインのみでした。

残りは、比較メディア、YouTube、コミュニティ、PR記事など、第三者プラットフォームが圧倒的多数を占めています。自社オウンドの構成比はわずか4.4%で、第三者比較メディア(69.9%)・動画(9.0%)・コミュニティ(5.3%)・PR(3.4%)の合計が87.6%を占める結果となりました。

これは、AI言及数を伸ばすには、自社サイトの強化だけでなく、「AIに大量引用される第三者メディア上で言及される頻度を増やす」ことが重要だということを示しています。私たちユーザーも、アプリの公式サイトだけでなく、様々な比較サイトやレビュー動画、SNSでの口コミなど、多角的に情報を集めることが、本当に自分に合ったアプリを見つける鍵になりそうですね。
要因2: ニッチでの第一人者ポジション確立
ブライダルネットの「婚活専業」という明確なポジショニングが、単独言及数を大きく伸ばした例として挙げられます。後発ブランドや、特定の層に特化したアプリは、総合ランキングで上位を狙うよりも、特定のニッチな分野で「このジャンルならこのアプリ」という第一人者ポジションを確立する方が、AIメンションを効率的に獲得できる可能性があります。
賢作も、30代・40代になってから「結婚を前提とした出会い」や「趣味が合う人との出会い」など、目的がより明確になりました。漠然と「恋人が欲しい」というだけでなく、具体的なニーズに特化したアプリは、やはり強いということでしょう。
要因3: ブランドストーリーの独自性
youbrideの「他社と併記」率が96%と高かったことは、AIが独立したストーリーを持っていないと判断している可能性を示唆しています。比較記事に組み込まれるものの、独自の価値が認識されていない状態です。
代名詞ポジションを取るには、利用者ストーリーや運営者インタビュー、独自データ、成功事例など、ブランド単体で語られる素材を量産することが必要とされています。私たちユーザーも、アプリを選ぶ際に「このアプリならではの魅力は何か」「どんなユーザーがどんな成功体験をしているのか」といった、より深い情報を探してみるのも良いかもしれませんね。
賢作が考える、30代・40代の賢いマッチングアプリ選び
今回の調査で、AIブランドメンションが用途別に大きく異なるシェア構造を持つことが定量的に示されました。総合ランキングだけでは見えない「サブカテゴリでの強み」「単独言及されるブランド力」が可視化されたのは、AI時代のブランド戦略において、そして私たちユーザーのアプリ選びにおいて、とても重要な示唆を与えてくれます。
賢作が特に感じたのは、30代・40代の皆さんがマッチングアプリを選ぶ際には、「自分の目的(婚活、恋活、友達作りなど)と、ターゲットとする年齢層を明確にすること」が何よりも大切だということです。
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真剣な婚活を考えるなら、ブライダルネットのように「婚活専業」としてAIに認識されているアプリや、Omiaiのように30代に強いとされているアプリを検討する。
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まずは幅広い出会いを求めるなら、Pairsのような総合力のあるアプリから始めるのも良いでしょう。
AIが推奨する情報も参考にしつつ、最終的には自分の目で各アプリの評判や特徴を調べ、無料登録などを活用して実際に試してみるのが一番です。きっと、あなたにぴったりのアプリが見つかるはずです。前向きな気持ちで、素敵な出会いを掴んでいきましょう!
本調査の完全版レポートは、シュワット株式会社のマーケティングAIXブログにて公開されています。
それでは、また次の記事でお会いしましょう、賢作でした。


